イベルメクチンのジェネリック医薬品について説明します。
イベルメクチンという名称は有効成分名(一般名)ですから、正確には、ストロメクトールのジェネリック医薬品、ということになります。
まずは、どんなものがあって、どこで作られているか、主なものをまとめてみました。
主なジェネリック医薬品
すべて、インドの製薬会社で製造されています。
医薬品名 | 製薬会社 |
イベルメクトール錠 | サンファーマ社*1 |
イベルジョン錠 | ジョンリー社*2 |
イブレア錠 | アジャンタファーマ社*3 |
コビメクチン錠 | ハブファーマ社*4 |
イベルヒール錠 | ヒーリングファーマ社*5 |
イベルスマート錠 | レクメズ社*6 |
*1 サンファーマ社
サンファーマはジェネリック医薬品で世界第4位(インドでは1位)の大手製薬会社。精神病薬の製造から始まり、心臓病、糖尿病、呼吸器系薬、形成外科薬、胃腸薬等の多くの医薬品を製造している。1983年インドのムンバイで創業され、その医薬品は世界150カ国以上で提供されている。従業員3万人以上を擁し、その国籍は50を超える。2012年3月に日本法人を設立。日本でもケアプロスト、カブゴリン等、多くの製品が使われている。
*2 ジョンリー社
ジョンリーは、2011年にインドで設立された,比較的新しい製薬会社。ISO(国際標準化機構)が定める品質管理システム・ISO-9001:2008の認定を取得している。錠剤、カプセル、ドライシロップ、液体経口剤、徐放性製剤、軟膏など、さまざまな剤形の商品を400以上も製造・出荷している。
*3 アジャンタファーマ社
アジャンタファーマはムンバイに本社をおく世界的な医薬品メーカーで、自社ブランドのジェネリック医薬品を展開する。世界中で7,000人以上の従業員を雇用するグローバル企業。1973年の設立以降、2012年4月には最大の市場であるアメリカへ参入、2000年にインドの株式市場へ上場し、2017年にはインド国内100社に与えられる「偉大な功労者(CEO)賞」の一員になる。
主な医薬品:インドの政府機関への薬剤供給およびWHO(世界保健機関)の承認プログラムに基づいたアフリカへの抗マラリア薬の供給。さまざまな治療薬のジェネリック医薬品を開発・販売しており、バイアグラのジェネリックED治療薬カマグラゴールドなどカマグラブランドで有名でもある。
*4 ハブファーマ社
ハブファーマは1980年に設立され、ムンバイ、デラドゥンの2かshに製造拠点を持つ、500人以上の従業員のいる製薬会社。WHOのGMP(製造管理・品質管理基準)をクリアし、高品質の基準を保っている。総生産量の30%を中東、東南アジア、東アフリカ、北アフリカなど、世界17ヶ国以上に製品を輸出している。
主な医薬品:抗炎症薬、AGA治療薬(フィナステリド)、抗マラリア薬など。
*5 ヒーリングファーマ社
ヒーリングファーマ(本社:ムンバイ)は2017年に創設された新しい製薬会社。国家規格に準拠した信頼性と高い安全性、低価格な製品を供給する。ED治療薬シアリスのジェネリック医薬品のタスティリアは世界的に人気がある。水虫やカンジタに効果のある抗真菌薬のリコナゾールクリームも知られている。
*6 レクメズ社
レクメズ(本社:ジャイプール)は、2013年創業の製薬会社。2019年7月に、Smart Mediscienceから現在のLecmazに社名変更している。新しい会社だが、輸出国ごとに製品パッケージを作り、消費者に分かりやすい製品作りの工夫をしていることから多くの支持を集めている(イベルスマートは日本語のパッケージにはなってない)。
※公式サイトが見つからない?!
ジェネリック医薬品とは?
医薬品は「新薬(先発医薬品)」と「ジェネリック医薬品(後発医薬品)」に分けられます。
新薬の開発には、10年~15年の期間、開発費用は数百億円に上ると言われています。新薬は開発元である製薬会社に特許があり、数年~15年は、他の製薬会社が同じものを製造することは許可されていません。
ジェネリック医薬品とは、新薬の特許が切れた後に製造される、中身の同じ医薬品のことです。開発に要する期間や費用は必要ないので、安く販売することができます。
日本でも、医療費の節約のために、ジェネリック医薬品を勧められています。米国での医薬品市場では、約90%がジェネリックで、そのうち40%がインド製とのことです。
ジェネリック医薬品は本当に大丈夫か?
最近では、政府もジェネリック医薬品の服用を勧めているし、TVではジェネリック大手の沢井製薬のCMをよく目にします。
だから、大手製薬会社の医薬品と同様に安全・安心かというと、実はそうでもないこともあるのです。
昔はジェネリック医薬品という呼び方ではなく、業界では「ゾロ品」と言ってました。
ゾロ品の中には、ビックリするようなひどい環境で作られているものもありました。無菌室とかそいうレベルではなく、白い割烹着のようなものを着た数人の人たちが、木造の倉庫のような建物内で、手工業のレベルで抗生物質を製造していました。もちろん、室内は菌だらけです。
30年以上も前のことですから、今ではそういうことはありません。
ですが、
ジェネリック大手「日医工」(富山)が起こした、少なくとも2011年からの10年間、工場長の指示で行なわれた「組織ぐるみ」の不正事件。
次いで発覚したのが、ジェネリックを手がける医薬品製造「小林化工」(福井県あわら市)で、同社の経口抗真菌剤(水虫薬)「イトラコナゾール錠」に、睡眠導入剤の成分が混入していた。この薬の服用で、意識消失や記憶喪失などの健康被害は100件以上報告され、中には運転中に意識を失い、物損事故を起こしたケースもある。
興味がある人はこの記事を読むと、よくわかります。
「ジェネリック医薬品で死亡事件 不祥事はなぜ頻発するのか」
2021年3月2日(同8月更新)
真面目な日本ですらこの状況ですから、インドのジェネリック医薬品はどうなんでしょう? 気になるところです。
残念ながら、インドのジェネリック製薬会社について詳しいことはわかりません。恐縮ですが、ご自分で調べてください。
イベルメクチンのジェネリックのうち、私がイベルメクトールを選んだのは、
- 日本で個人輸入している人が多い
- 製造がジェネリックで世界4位の会社
この2つの理由からです。
海外ジェネリック医薬品では当たり前?!
インドのジェネリック医薬品、調べていて、驚きました。
- パッケージが変わってる!
- 錠剤の色が違った!
ということは頻繁にあるようです。
私の場合も、購入したイベルメクトールも、1回目は横長のパッケージ、ところが、2回目は縦長パッケージになってたのです。
中身には問題はないようですが、日本ではあまりないことですし、一瞬、ドキッとしました。
こういう時に、購入者の方のレビューが沢山あるのは助かりますね(個人輸入代行業者を選ぶポイントの一つです)。
海外のジェネリック医薬品には、日本で普通ないようなことも、当たり前にあったりします。
個人輸入は、すべて自己責任ですから、そのことをお忘れなく!